映画「ラーゲリーより愛を込めて」は人の生きる意味を問う
辺見じゅん「ラーゲリーから来た遺書」が原作。
太平洋戦争終了間際に、満州へソ連軍が進行し満州にいた日本兵60万人が抑留されシベリアへ移送をされシベリア鉄道を作る作業を仕入れた映画を描きます。
毎日、360g程度のパンと野菜がわずかに浮かぶスープだけ。冬は極寒のマイナス40℃近くになる中の作業。自由はなくすべて監視された日々の中で9年抑留された人を描く。亡くなった人は6万人に達したという。
主人公 山本幡男さんをアイドルグループであった元嵐の二宮和也さんが熱演してます。周りを固める男優も素晴らしい役どころでした。山本さんの妻役に北川景子さん。
生きるには地獄のような日々を生き抜いたのは何なのか?
そこには「希望」があるかないかが大きな要因になります。
映画の中で描かれる人たちに生きる希望は「自分を必要とする人がいる」「愛する人のために生きる」だと思います
さらに山本幡男さんが感謝の心、利他の心を忘れなかった。地獄の日々の中で自分をソ連にスパイを売った先輩へも許し感謝する。人へ優しい言葉をかけ続ける。
この山本さんはどうしてこんなことができたのか。
しかし、山本さんは喉をガンに侵されなくなります。愛する妻、子供たちが待つ日本へ帰ることを夢に見ながらシベリアで亡くなります。
山本さんが死の直前に書いた遺書はソ連兵に没収をされてしまうので、没収される前に仲間が頭に記憶し数年後、シベリア抑留が解放されるまでの数年間、記憶し続け日本に戻った仲間が奥様と子供たち、母親へ伝えることになる。
すさまじいまでの環境で生きていく人間とは、どうして生きるかを問いかける映画でした。